ワークショップ
◆進行・記録 岩下徹
◆参加者(敬称略)
A: 10名 吉見、藤本、大生、里紗、佑太、祐佳、織音、翼、百々花(途中から)、永井(途中から)
B: 3名 関本、飯山、中大路(始めの頃)
一般:2名 奧、大石
他、Aメンバーの保護者の方々、取材の女性、
◆会場設定
全体的に何となく楕円形に近くなるように椅子や大きな楽器等を幾つか配置して頂き、中央辺りに鳴り物等の小さな楽器を置いて頂いた。
※ドラムセット、和太鼓、エレキ等の大音量が出る楽器は使用をお控え頂いた。
1.”静かにする”←鈴木勝氏のプログラムより
→『4’33”』(4分33秒)持続! 里紗さんの声とステップ、翼さんの静かな歌が際立ったか…?
2.”微かな音を聴く” ←鈴木勝氏のプログラムより
→岩下が好きな柔らかい音の出る金属製の打楽器を微かに鳴らす。次にそれと2回合奏して頂いたが、この「弱音」のアンサンブルには今後の更なる可能性を感じた
3.センターで岩下が’コンダクター’になり、音や声を出す人(動く人)を選びつつ踊る。
→実施中、演奏者が複数になったり、また岩下との関係が逆転し、岩下が音に引っ張られたり等、当初の設定から外れ離れ変わって行き、お終いには岩下と演奏者達との同時平行・集合的即興セッションとなったのでは…?
4.次は、’コンダクター’無しでやってみる。
→短音での呼応”call and response”で始まったが、これも自然に変容してゆき、次第に音が重なりリズムを帯び、やがていつものビッグ・バンド風となるが、この終わりも自然に訪れたように感じた。一音一音をもっと大切にしたい。次回は、単音で…?
5.この終わりをもう一度見付けるべく演奏して頂く。
→大きく小さくずれたり、たまにピタッと合ったりしながら、全員で音を出したり止めたりしつつ、出来れば幾度か”沈黙”を共有したいと思っていたが、その共有は結局のところ1回のみとなる。然し、映画『音の行方』のタイトルではないが、皆で演奏しながら各々がその行く末を見守っているようにも感じた。”音”と”沈黙”とは、同一平面上に有り(或いは表裏一体?) 、対等 (同格?) な関係にあるのでは…? また、即興に於いては「もう一度」(完全に同一なるものの再現・再生)は有り得ない! ということを改めて思い知らされた。が、また試みたい。
6.誰かが出した音に”ユニゾン”してみる。それをしているうちに、また誰かが異なる音を出し、自然に次の”ユニゾン”に移り変わってゆく。
→このことが同時多発的に興りつつ、絶えずその中心が移ってゆくことで、正に「多中心」的世界が生じ、その世界全体が畝(うね)っていったと思う。続けてみたい。
<休憩>
7.全員で”コンダクター”の居ない”エアー・アンサンブル”を試みる
→始めは定位置にて。次に立って歩きながら”エアー”演奏して頂き、その後 相手とその数を変え”コラボ”して頂いた。またやってみたい。
8.ソロ・ダンスⅠ 祐佳さんのダンスと永井さんの演奏
→やがて、祐佳さんが踊り複数の方々が入れ替わって演奏することへと展開。
9. ソロ・ダンスⅡ 永井さんのダンスと大石さんの演奏
→この時も、永井さんの踊りと その他の方々の演奏へと発展。
10. トリオ・ダンス
→この前の9.の最中、里紗さん、大生さん、翼さんが立ったり歩いたり声を出しておられたので、このお三方へ全員で演奏して頂く。
→このお三方の<存在>と他のメンバーの演奏とが、明るく朗らかに共存共栄”live and let live”することが…
11. そうこうしているうちに、藤本さんが登場され少し演奏された後 踊り出された!
→この儘なかなか終わらないのでは?と思われたが、”強制終了”するのでなく何となく終わりが来たような…
12.飯山さんのご提案で、奧さんのダンスと百々花さんの演奏。
→時間こそ短かったが、お二人が素直に向き合い、その終わりも自然に訪れ、デュオの鑑(かがみ)をみたような気がした。
「……その無音の沈黙の間は、実は、複雑な一音と拮抗する無数の犇(ひし)めく間として認識されているのである。」(武満徹)
「音楽を聴き終わった後、それは空中に消え、二度と捉えることは出来ない。」(E.ドルフィー)
「あらわな調和よりも、あらわでない調和の方が優れている。」(ヘラクレイトス)
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更新日 : 2025.01.12